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06年8月中旬〜下旬「神奈川県・小網代」
「番外編(スチル銀塩カメラ)」
今回は私の使用している撮影機材について書こうと思います。スチルカメラ2機種をご紹介しましょう。
ニコノスV+自作ベーストレー
自作トレーにニコノスXに純正接写装置を装着した例。この純正接写装置は被写界深度も深く波に揺られながらの沖合での浮遊生物の撮影では一眼レフよりも遥かに効率が良い。カメラ手前にある丸い物体は浮力調整用の“浮き”
ニコノスX型用のベーストレーです。材料は4mm厚のアルミを使い自作しました。最近は航空預け荷物の重量制限が厳しい為に1gでも軽くする為に強度に問題が出ない範囲で軽量化穴を開けてあります。コネクター部には衝撃から守る為にガードを取り付けました。接写装置使用時にはストロボ用ステーを両側に取り付けられるようにしました。このステーにはYSタイプのフレキシブルアームを取り付けてあります。ベース本体とストロボステーはステンネジで角度変更・脱着可能にしました。
自分の機材や物がコネクターに当りコネクターケーブルの損傷を防ぐコネクターガード、ストロボステーは角度調節ができるようになっていて脱着も可能。
ラニヤードはエアコンに使用するドレインパイプを使いました。この中に強度のあるロープを通してウレタンを注入してあります。この素材は軽い上に水中で浮力があるので撮影中にラニヤードが邪魔になることはありません。このアイデアは写真家の吉野雄輔氏に教えて頂いた技で私のカメラ機材の殆どはこの自作ラニヤードを装着しています。ウレタンはスプレー式の物、ドレインパイプと共に日曜大工センターで手に入ります。ラニヤード両端には浮きを取り付けられるようにしてあります。何時間もカメラを構えながら粘る事が多い生態撮影の場合、水中で出来る限り軽量・良バランスに努めることが大事です。この浮きを使って水中重量を0〜−150gまで調整して使っています。この浮力調整用の“浮き”は海岸で拾ったものと魚網屋で購入したものです。特に海岸で拾える“漁業用浮き”は小型軽量、そして頑丈なのでお薦めです。中に空気が入っている小型の浮きは国産品には無いようで沖縄や日本海側で台湾製や韓国製の漂着物を利用しています。
ラニヤードはエアコンのドレインパイプを利用。頑丈で超軽量、そこにロープを通して発泡ウレタンを注入する。ロープは抜け落ちるのを防止する為にパイプ中心部で団子を作っておき発泡ウレタンのスプレーを注入。この発泡ウレタンスプレーは“蛇花火”のようにやたらと膨張するので注入にはちょっとしたコツが必要。
ワイド使用時にはストロボステーを取り外しベース左右にあるウルトラライトベースにアームを取り付けて使用します。ベース下部には15mmレンズの絞りノブを挟む形でガードが付きます。これはノブ自体をガードする為ではなくレンズ構造上の脱着防止の為です。数台のハウジングと同時に使う事の多いニコノス、胸のフックに取り付けて潜る事が多く過去に「絞りノブ」が何かに引っかかりレンズが動いて水没した事がありました。この「絞りガード」はそれを防ぐものです。
ワイドレンズ使用時はストロボステーを取り外しストロボ使用の時はアーム本体のベースにアームを取り付ける。
15mmレンズの回転止め。絞りノブの両側をカバーするような構造でレンズの回転を防ぐ。
プルーフ EOS3用ハウジング
生態撮影用のライトを装着した状態。このハウジングでは光ケーブルでイノン製Z220ストロボを使用する。
アクリル製オーダーメードハウジングメーカー「Proof」製のハウジングです。中身はフイルムカメラ、CANON EOS3用です。本体前半部は自分の好きな色をカーショップで選んでそれを指定、濃紺に塗装しました。内面をつや消し黒にして内面反射を抑えました。板厚は60m耐圧仕様にした為に厚くしたので私のハウジングの中では水中重量が最も重く−220gです。これ以上重くすると片手のみでシャッターを切るのが難しくなります。“片手打ち”はドロップオフや着底出来ないサンゴ礁での撮影では良くやる方法です。片手でしっかりシャッターを切れる重量はこれ位の重量が限界と思います。ファインダーと光信号システムはイノン製を組み込みました。ポートもイノン製が使えるようにしました。
操作系の各シャフトは強度を考えてステンレスで作りました。シャッターレバーは上部が支点となる“引き金”方式です。グリップはABS樹脂のブロックを自分で削りました。数本作った中で一番しっくりした物にゴム融着テープを巻いて更に手に馴染むようにしました。自分の手に合ったグリップと引き金式のシャッターレバー、これは遅いシャッターを切った時でも手ブレを極力防げる物として私が最もこだわった点です。その下の絞りダイヤルはグリップを“がっちり握った”状態でも親指で操作出来る位置に持ってきました。ベベルギヤと平ギヤを使って方向を変えるかなり複雑な作りですがトラブルは一切ありません。ギヤを多用したお陰かクリック感が凄く出て目をつぶっていても絞りが何段動いたか判るのでファインダー内の被写体の動きに完全に集中出来ます。本体裏蓋に付いたON/OFFスイッチとシャタースピードダイヤルは凸凹で接続されています。これは水深に拠る裏蓋の変形で操作不良が起きない為の方法です。最近のカメラではカメラの裏側にまで基盤が入っている機種も多いのでカメラの裏側に圧力を掛けないようにする事はトラブルを防ぐ意味でも重要です。この凸凹接続とシャフトの通る穴を限界まで大きくした事によりシャッターダイヤルは小指で軽く触れても変えられようになりました。
ファインダーはイノン製の視度調整機能付きの物、右下の大きなダイヤルはシャッタースピードダイヤルでシャフトの通る穴を出来る限り大きくした為に小指ではじくと一気に4〜5段動かす事が出来る。かなり雑な使い方をしているが水漏れは一切ない。
右側のダイヤルは絞りダイヤル。シャフトはステンレスの削り出しでギヤを2段使いカメラ本体の絞りを動かしている。絞りのシャフトの下にある緑色のスイッチは生態撮影用のライトをコントロールするマイクロスイッチ。
シャッタースピードダイヤルとメインスイッチは凸凹で接続するようにして外圧変形による作動不良を防ぐようにした。
カメラ本体をハウジング本体に装着する方法は六角ステンキャップ2個で連続する微振動でも緩まないようにした。
ハウジング裏蓋を内部側から見る。ノブ側を凸にし、カメラ側を凹にしてある。
ハウジング正面下のコネクターは後述する生態撮影用ターゲットライトのコントロール用ですが内部の切り替により光ケーブルのトラブル時にはストロボの電気信号出力用、リーモートコントロール端子の役目も果たし3つの使い方を出来るようにしました。
前面下部にあるコネクターはニコノス用3ピン対応なのでライトの点灯コントロール以外にもリモート、ストロボのコネクターにも使えるようになっている。写真のマクロポートはイノンの100mmUSM用にフロントガード(自作)を取り付けてある。
カメラ上部にはホッとシューを取り付け、脱着可能のターゲットライトを装着してあります。ターゲットライト本体も「Proof」製のアクリルハウジングです。中身のライト本体はSONY製の2灯式ビデオライトで外観の一部を切断して小型化し内部回路を親友の桜井氏に相談して回路の改造をしてもらいました。ライト本体に幾つかのパターンで点灯出来るMODEスイッチを付けて色々な点灯が出来るようにしました。ハウジング本体内のシャッター部にマイクロスイッチを装着してありますから赤色照射で被写体を常時照らしシャッターを半押しするとフォーカスを取り易い昼光色点灯することが出来ます。また赤色一灯で撮影準備〜シャッターを切る瞬間により明るい赤色二灯点灯にする事も出来ます。ターゲットライトに赤フィルターをかぶせただけの撮影に比べてフォーカスのとり易さで撮影成功率は飛躍的にアップしました。この赤色フィルターは被写体の目には感じ難い為か夕方から夜間の生態撮影時には特に威力を発揮します。生態撮影以外でも深場でのハナダイ撮影や夜間、プランクトンがライト前に集り撮影に邪魔になる時などにも有効です。点灯部前面のフィルター部は取り外し可能なので淡〜濃い各種フィルターを状況に応じて装着できるようにしました。
ライト本体のスイッチ部。メインスイッチと各モードスイッチ。
ライト内部、ライト本体はSONY製ビデオライトを改造。
無灯火の状態。発光部前にはフィルターが入るスリットがあるので各種の色フィルターを装着する事も出来る。
赤色フィルター発光の状態。夕方〜夜間の生態撮影、ハナダイ類の撮影時には威力を発揮する。
シャッターを半押しすると赤ライトから通常のライトに変換する。
完成から2年半、自分では究極のハウジングだと思っているこのハウジング。トラブルも無く私の片腕となって日々の仕事をこなしてくれています。設計に約3ヶ月、製作中の作り直しは数知れず。製作期間は実に6ヶ月、無理な要求・我が儘に一度として嫌な顔もせずに造ってくれたProofの水元氏にこの場を借りてお礼を申し上げたい。
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